【令和6年度】宗祖報恩講(12月)
12/9(月)に当山で「宗祖報恩講」を行いました。
檀家さんと一緒にお経をお読みし、法要後はお茶とお菓子を頂きながらみなさま談笑されてました。
【本日のメニュー】
- 道場偈
- 勧 請
- 開経偈
- 読 経
- 方便品第2
- 欲令衆
- 咒陀羅
- 普賢咒
- 所願不虚
- 祖 訓(「上野尼御前御返事」蓮華と申す花は菓と花と同時なり)
- 自我偈〈太鼓〉
- 唱 題〈太鼓〉(焼香)
- 此 要〈太鼓〉
- 回 向
- 奉 送
【本日のお話】
「上野尼御前御返事」
・「蓮華と申す花は菓と花と同時なり〜一人もかけず仏に成ると申す文なり」
・差出人は日蓮聖人。御歳60歳のお手紙。亡くなる1年前。元寇2度目が来た年。身延の旧草庵を廃しお堂を建て「身延山妙法華院久遠寺」と命名した年。
・宛名は上野尼。夫は南条兵衛七郎殿になる。夫は執権北条時頼の近臣。伊豆国南条郷と領地としていたため南条殿と言われ、その後静岡県富士市の上野郷に地頭として移住したので上野殿とも呼ばれる。北条家の近臣は念仏信仰が多かったなか、日蓮聖人で出会われ改宗するも幼子3人を残し数年で亡くなる。上野尼は女手ひとつで子ども3人を育てられ、長男、末っ子も早死にする不幸に見舞われる。夫に先立たれ、子ども2人に先立たれた思いに対し、日蓮聖人は励ます手紙を度々送られた。
・手紙の内容は上野尼の父親の命日が近いということで、送ってもらった品々への感謝の手紙と共に、上野尼の父親の成仏如何についての悩みに対し、法華経による功徳を説いた中国の故事「烏竜オリョウと遺竜イリョウの話」(子どもが法華経の題字を書いたことで父親が無間地獄から救われた話)を出し、上野尼の父親も必ず成仏しているだろうと励ましている内容。
・今回一緒にお唱えしたところは現在の肉身のままでただちに成仏する(即身成仏)を譬えた一節になる。妙法蓮華経というお経は蓮華に例えられる。なぜ蓮華なのか。一般には「前華後菓(華は先、菓は後)、前菓後華(菓は先、花が後)」。しかし蓮華は「蓮華と申す花は菓と花と同時なり」と花果同時の特性を述べている。このことから法華経信仰は、華果同時の蓮華のようであるといい、あるいは音と響きは同時であるようにと、譬話を重ね、たとえ凡夫であったとしても法華経信仰、唱題受持によっても成仏することを明かされている。
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